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RYUTistから考察する心を揺さぶるコード進行

自分の中でいくつかある好きなコードパターンの中でも、耳の錯覚を利用して意表をつくコード進行が特に好きなんですが、新潟のアイドル RYUTistの曲を聴いていたらその要素を含む曲があったので紹介していきたいと思います。

(イメージしやすいようKey Cに換算したコード表記を使っています。)

カノン進行と思わせて2周目から上昇進行

まず取り上げるのは、RYUTistとハコイリ♡ムスメのコラボユニットである 柳♡箱の「ともだち」という曲です。

J-popの人気曲にパッヘルベルのカノンのコード進行(C-G-Am-Em-F-C-F-G)がよく使われているというのは有名な話ですが、この曲ではサビ(1:21~)がその進行に近いものとなっておりとてもポップな印象を受けます。

しかし、この曲はサビの1周目(1:21~1:36)と2周目(1:36~)で進行を大きく変えています。

2周目(1:36~)は1周目と同じくC(1度)で始まるカノン進行と思わせつつ、F(4度)から始まるF-G-Am-Cをとっており、ここが言及したいポイントです。

1周目でカノン進行を聴いているので無意識のうちに2周目も同じだと思ってしまうのですが不意打ちでF(4度)をかまされた上にF-G-Am-Cが壮大かつ情緒的な進行であるため1周目のポップさとのギャップも相まって心が揺さぶられます。

カノン進行と思わせてラップで豹変

次にこの曲。

サビがカノン進行。2周目もカノン進行。2番もカノン進行で油断させときながらラップ部分(3:30~)で仕掛けてきます。

2番のサビから同じコード進行のままナチュラルに入っていくのでサビの延長のようなイメージで聴いてしまいますが、2周目(3:46~)でC-E-Am-G-Dと大きく進行を変えてきます。(おそらく頭のCにテンションが入っていると思うんですが僕の音感が貧弱すぎて判別できませんでした。)

2つ目のEと最後のDで黒鍵の音を含ませているところも展開に緊張感を与えています。

泣くことになる

RYUTistはテンションコードや転調を用いたシティポップ系の楽曲が多いイメージがありますが、王道のポップソングにおいてもこのような仕掛けをしてくるので油断してると感情をぐわんぐわん揺さぶられて泣くことになります。注意しましょう。

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